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藤本真佐さんインタビュープロカツ

  1. Tカードが企業にもたらすメリット

藤本真佐さんプロフィール

Tカードが企業にもたらすメリット

渡邊:まずTカードの仕組みについて具体的に教えて頂けますか?

藤本:現在Tカードの会員数は3,460万人おり、クレジット機能付きのTカードの会員数は570万人くらいいます。TカードとはTポイントを貯めたり、使うことが出来るカードで、Tポイントが貯められる店舗は、TSUTAYAをはじめ、ガソリンスタンドのENEOSさんや、外食チェーンのガストさん、コンビニエンスストアのファミリーマートさんなど、店舗数は30,000を超え、Tポイントの提携企業数は69社にのぼります。

会員数、提携企業数ともに伸びてきているTカードですが、その仕組みは、お客様がTカードを提示してファミリーマートで100円のコーヒーを買うと、1円分のポイントがつきます。当社はファミリーマートさんから1回の利用につき、その都度システム使用料を頂く仕組みとなっています。提携企業にとっては、加盟後、直ちに3,460万人のT会員を自社の会員化することが可能で、自社で会員を集めたり管理のためのシステム構築をするコストが少なくて済むというメリットがあります。

そして、もう1つのメリットはお客様を可視化できるって事なんですよ。
例えば、提携企業の店舗に対し、「南の方のエリアでは使われているけど、北のエリアの人からはあまり使われていない」という事が分かったら、「北側の地域に向けて販売促進のチラシをやりませんか?」というようなコンサルティングが出来るんです。今まではどこからお客様が来ているのかなど、分からなかったのですが、Tカードによってそういったマーケティングデータを集客のための販促や商品の開発、分析などに活かしていただけるようになりました。

例えば、リピーターのお客さんがよく食べているのは何かが分かるとか、若い女子に向けて作ったメニューが、意外と高齢のおじさんに受けていた場合、少し表現の仕方を変えた方がいいとか、そういう事に使って頂いたりすることも多いですね。

渡邊:他にCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)さんではどんな事業をされているんですか?

藤本:レコメンド事業として取り組んでいることに、お店や商品未利用者に対して、来店促進につながるようなクーポンを出すことなどがあります。
利用した事が無い人だけにピンポイントでクーポンを配る事によって、新規のお客さんの獲得になるんです。
だからTSUTAYAに行かれると、よくクーポン券が出てくると思いますが、それは大抵の場合は、T会員の方が、あまり利用したことの無い加盟企業のクーポンが出てくるはずですよ。今こういったクーポンで言うと、ファミリーマートさんでも似たような物が発券できますし、コンタクトレンズのアイシティさん等、その他のアライアンス先でも広がってきています。今は大体Tカードの加盟店が約3万店ありますので、かなりの所でプロモーションする事が可能になるんです。

渡邊:藤本さんがTSUTAYAの事業に関係する事になったキッカケは何ですか?

藤本:僕がTSUTAYAの事業に直接関係するようになったのは、1998年からですね。
この年にTSUTAYA onlineというホームページを立ち上げるミッションで(株)シーシーシーオンラインという会社を作ったんですね、その時に社長として2年位やっていたというのがあって。
その後、いくつかの会社の経営に携わった後、元のデジタルハリウッドに一旦戻って社長をやって、去年CCCに戻って来たんです。

渡邊:藤本さんは学生の頃から起業されていますが、最初はどんな会社を始めたんですか?

藤本:元々は、学生のサークル向けに色んな物を売る会社でした。例えばジャンパーとか作るじゃないですか?そういうのを工場に「まとめて発注するから安くして」ってやったり、「合宿も皆で合わさって」という様な事をして、最初は代表者で集まってやってたりしたんですけど、段々それが大きな団体になってきて。

大体1番多い時で500サークルで、2万5千人くらいの団体だったんで、例えばJCBカードの学生カードは僕達がはじめに発行したんですね、あとは学生新聞を発行したり、人材派遣とかをしたり。当時は就職バブルだったので、企業が就職説明会を開くと、そこに東大生を1人連れていくと5万円位貰えるんですよ。説明会を開いても、学生が一切来ないという状態で、それでは格好がつかないという事なので、「3日後に30人動員してくれ」となったら「分かりました」と言って手配するんです。まぁ酷い仕事ですけどね(笑)。

僕の会社では、メインの学生スタッフには20万円位払っていたんですよ。だんだん規模が大きくなるにつれて、そういう事務的な作業をやってくれるメンバーって限られてくるじゃないですか?そうすると、この人達はアルバイトが出来なくなるので、「バイト代で月に5万円出すから、もっとちゃんとやって行こうよ」とやっていって、暇な時だと1日数時間位しか働かなくても、月に20万円位は払うようになっていたんですよ、一時期は20人以上に。彼らにすればいい生活ですよね(笑)