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杉山さんが派手なスーツを着る理由

牛窪:杉山さんが、このような格好をされるようになったきっかけは?

杉山:きっかけはですね、僕がまだ新人だった頃に、急遽あるキャンペーンのプレゼンを任されたんですが、そのプレゼンの広告コピーを発表するのが糸井重里さんだったんです。やっぱり、大御所の糸井さんと入社3年目の僕が並んだら、相手側も「はぁ?」って感じになると思ったんですよ(笑)。

それで「プレゼン当日は何かしないと!」と思っていたら、そのキャンペーンのテーマカラーが赤だったことを思い出して、それで、プレゼン当日に赤のジャケットを着て行って「今日は赤がテーマだったので全身『赤』で来ました!」って言ったらそれがウケて、プレゼンも勝ったのでテーマカラーに服装を合わせるスタイルを始めたんです。

あと、昔は得意先へプレゼンに行くと、僕のパートが最後になる場合が多かったんですよ。僕はその頃、見積の話をしなきゃいけなくて、見積って一番地味な所なんだけど、やっぱり最後のプレゼンが地味だと全体も地味な印象になってしまうから「何とかして最後を盛り上げなきゃいけない!」と思って。それで、派手な服を着ていくようになったんです。

ただ、私生活は普通の格好をしていますよ。キャラクターのTシャツ着て。「休日に見るとわかりません」ってよく言われます。

牛窪:普段会社に来る時も、こういった格好なんですか?

杉山:この格好です。この業界って割とラフな格好の人が多くて、うちの会社もラフな人はラフなんですけど、僕は仕事では基本的にスーツなんですよ。ただ、色とか柄はメチャクチャなんですけどね(笑)。僕が入社した時「スーツはビジネスマンの甲冑、戦闘服」って言われて、それで、僕は元々アメリカンコミックのヒーローものが好きだったから「戦闘服だったらアメリカンコミックのヒーローみたいな格好もいいかな」って思ったんです。それと、さっき言った糸井さんとのプレゼンの時が重なって、ヒーローみたいな赤い派手な格好をして行ったんですよ。

牛窪:そういったスーツは特注ですか?

杉山:いや、既存のスーツです。お店の人も、派手なスーツは僕しか買わないと思って取置してくれるんです。だから、意外と服には迷ったことがないんですよ(笑)。

牛窪:ちなみに、今日のスーツはどんなイメージですか?

杉山:これはですねー、ウェブ映えした方が良いなって思いまして。柄で勝負すればモノクロ写真の場合でも派手に写りますから。

牛窪:杉山さんのプレゼンスタイルの評判はどうですか?

杉山:いいですよ(笑)。僕自身、気が短い部分があって割と話が短いんですよ。パンパンパンって話すから「ダラダラして無くて良い」ってよく言われる。あと、企画を出して通らなかった時って、相手が悪いわけではなくて、企画を説明しきれなかった自分が悪いということだから、企画を説明する所を一番心がけているので、そういう意味では評判は悪くない、はず(笑)。

牛窪:杉山さんも驚いた同業者の変わったセルフプロモーションはありましたか?

杉山:えっと、今から10年程前に、ある広告会社さんが営業もコピーもマーケティングも、全部女性だけのチームを作ったことがあったんですよ。それが「アマゾネス」と呼ばれているのを知った時は「カッコいい!!」って思いましたね。

他にも、ある企業でプレゼンの順番を待っていた時、前の広告会社さんが終わって部屋から出て来たら、一緒にタレントさん達もぞろぞろ出て来て「スゴイ!」って思いましたね。まあ、向こうも僕がこういう格好をしてるので「わっ!誰を連れて来たんだ!?」ってビックリしてるんですけど(笑)。

牛窪:派手なスーツを着ることについて、周りや上司の反応はどうでしたか?

杉山:広告会社にとってプレゼンはクライアントの心を動かすための場であるので、企画の掴みとして良いと思われていました。ただ、得意先の雰囲気やトーンは気にするので毎回ということではありません。派手なことだけが大事というわけじゃなくて、プレゼンのテーマに合わせるのが大事なんですよ。だから、周りの反応もネガティブではなかったですね。

牛窪:自分の会社の「ここがイイ!」と思えるところは?

杉山:自分も含めて相当変わった人でも雇っていてくれる(笑)。この会社の寛容なところは、「すごくイイなぁ~」と思います。どんな会社もそうだと思うんですが、個性的な人間がその会社に残れるということは、その個性に対して寛容な上司と同僚がいない限り無理ですからね。

それと、お得意様思いですね。愛と寛容さがあるのが、うちの会社のイイところだと思います。あとは、広告会社って、時代に合わせて柔軟に対応していくので、そういう変化の激しい世界で生きて行くのは、なかなか楽しいです。変化を楽しめる人には向いている世界かも知れませんね。

牛窪:今日、博報堂さんを訪問して驚いたんですが、すごくキレイなオフィスですよね? オフィスの雰囲気を見ただけでも、この会社に憧れちゃいました。

杉山:あ、本当ですか?でも真面目な話、そういうのは仕事において、とっても大事なことで、会社に来てみて雰囲気が良いとか、このオフィスで働いてみたいとか、憧れを持って仕事をするのが重要なんですよ。