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杉山豊さんインタビュープロカツ

  1. 広告会社とは?クリエイティブディレクターという仕事とは?

杉山豊さんプロフィール

広告会社とは?クリエイティブディレクターという仕事とは?

牛窪:初めまして、青山学院大学のフランス文学科1年の牛窪梨花です。

杉山:青学なんだ。僕、前に一回だけマスコミ研究の臨時講師で青学に行った事があるんだけど、いい大学だよね。今日はよろしくお願いします。

牛窪:よろしくお願いします!まずお聞きしたいんですが、広告会社とは、どのような仕事をする会社なのですか?

杉山:まあ文字通り、企業が広告を出す時に広告作りのお手伝いをする会社ですね。当然、どんな企業にも宣伝を担当する部署があるのに、なぜ広告会社があるのかと言うと、例えばひとつの広告を作る時に「どんな企画を考えたらいいのか?」、「タレントさんは誰を出したらいいのか?」、「作ったものをテレビに流した方がいいのか?」、「ウェブに流した方がいいのか?」とかを全部研究しないといけないですよね?

これらを企業の宣伝部さんが一人で全部やるのは、すごく大変なんです。広告会社にはそういった知見が全部揃っているので、企業さんをお手伝いする形で、広告キャンペーンを組み立てて広告を作っていく会社なんです。

あともう一つ、今は昔と違い、商品の広告を考えているだけじゃなくて、広告会社は仕事を通じていろんな人と接点があるので、例えば「世の中の人は今、こういう事を求めているから、こういう商品を作ったらどうですか?」というアドバイスをしたり「こちらのコンテンツとそちらの企業を組んで、こんな事をしたらどうですか?」などのコンサルティング的な事もするようになってきています。

まあ、大まかに言うと、企業が「何かを売りたい」「何かを仕掛けたい」という時のお手伝いをするパートナーとして広告会社がある、という感じです。

牛窪:結構、重要なポジションですね?

杉山:そうですね。やっぱりどんな企業もそうだけど、「モノを売る」っていうのは相当大変な事なので、「モノを売るためにどうしたらいいか?」ということを企業とは違う立場から考えるのが広告会社ですね 。

牛窪:杉山さんが担当されているお仕事の内容は?

杉山:僕はですね、お菓子もやってるし、自動車もやってるし、あと映画とかレコード会社の広告やキャンペーンをやったりしてますね。

牛窪:その中で、杉山さんのお仕事は、どのような事をするんですか?

杉山:僕の仕事は「クリエイティブディレクター」と言って、例えば、コマーシャルを作る時には、多くの人に振り向いてもらえるためのコピーを考える「コピーライター」とか、雑誌やポスターにした時、どう見せたらいいのか考える「アートディレクター」。あと、どんなCMを作ったらおもしろいか考える「CMプランナー」。他にもいろんな役割があるんですが、クリエイティブディレクターはこれら全体を統括してディレクションする、方向性を決める仕事ですね。こう言うと、ちょっとカッコいいでしょ?

牛窪:はい(笑)。

杉山:つまり、クリエイティブディレクターというのは現場監督ですね。まあ何でも横文字にするとカッコいいんですよ(笑)。

牛窪:クリエイティブディレクターには、どうやってなるんですか?

杉山:クリエイティブディレクターは全体を統括するので、はじめはコピーを考えたり、CM企画を考えたり、セールスプロモーションの販促キャンペーンの仕事をやったりして、それで、だんだん上に行くにつれ、全体を見るようになるんです。

やっぱり僕も君ぐらいの歳の頃には、広告会社って何をやるのかよく知らなかったし、当時マスコミというとテレビ局だったから。小学校の図書館によくある、お仕事図鑑とかキッザニアとかにも「テレビ局の仕事」はあるけど「広告会社の仕事」はないからね(笑)。

牛窪:杉山さんどうして広告会社に入ろうと思ったんですか?

杉山:僕はすごくミーハーで、当時はアイドルと結婚しようと思ってたんですよ(笑)。それで「アイドルと結婚するにはマスコミだ!」と思って、そこから広告会社を知ったというわけです。でも後になって、アイドルはだいたい青年実業家と結婚する事がわかって・・・「チッ!違ったよ」って(笑)。つまり極めてミーハーな動機だったんですよ。

牛窪:ちなみに好きだったアイドルは誰なんですか?

杉山:ナンノちゃん、南野陽子さんです(笑)。

牛窪:今、杉山さんはどんな時に、仕事の「喜び」や「やりがい」を感じますか?

杉山:単純に、自分がやった事が世の中に流れていたりするのを見た時はすごく嬉しいです。例えば、街を歩いていたら、自分が作ったコマーシャルのテーマ曲を歌う子供を見かけたとか、自分が企画したコンビニのお弁当が店頭に並んでいるのを見た時とか、今だと自分のやったキャンペーンの事がTwitterなどネットに書かれているのを見た時とかね。自分が仕掛けたことが世の中の反響で返ってくる事がすごく嬉しいですね。

牛窪:杉山さんが、仕事をするうえでの「ポリシー」や「こだわり」はありますか?

杉山:僕の仕事は、いろんな人と会わなければいけないんですよ。だから、お得意先の窓口の方とお会いする場合もあるし、大企業の社長さんとお会いしなければいけない時もあるし、芸能人の方とも会ったりもします。そういう時に思うのは、どんな人と会う時も「礼儀正しい」というのが一番大事だと感じますね。

僕、こういう格好をしていますが、結構、礼儀正しいんです。意外に腰は低いわけなんですよ(笑)。だから、3歳くらいの子役にも会わないといけないし、僕よりはるかに年上の会長みたいな人にも会わないといけないし。そういう人たちと別け隔てなく礼儀正しく接する。

基本的に礼儀っていうのがビジネスの一番の武器だったりするんです。やっぱり、この業界も仁義と挨拶の世界だったりするので、そこを一番こだわっていますね。

あとは、必ずしもいつも自分が正しいとは思わないという事。「自分はコレがいい!」と思っている事を他人に否定されると、ちょっとカチンとくるんですが「よく考えてみると確かにそうだな」と思える事ですね。そこがクリエイターと芸術家のちょっと違う所で、自分が作りたいモノを作るんじゃなく、目的に合わせて一番良いモノを作るという事です。

なので「礼儀正しさ」と「自分にこだわらない」。この2つをポリシーとして持っています。まあ、この2つが自分にはよくできてないと思っているから、ポリシーとして持っている、という部分もあるんですが(笑)。

牛窪:個性的なアイデアって言うのが大事なのかなって思ってました。

杉山:もちろん個性的なアイデアは大事なんだけど、やっぱりみんながわかってくれるアイデアじゃなきゃいけないので、個性的でも、あまりとんがり過ぎてもいけないし、そこのバランスはすごく気を付けないといけないんですよね。あと、ミーハーに考える事。「今コレが流行ってるからコレ!」というような考え方を大事にした方がいいかなと思いますね。