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坂本達さんインタビュープロカツ

  1. とにかく何でもやってみる事、そこから道が開ける!

とにかく何でもやってみる事、そこから道が開ける!

田北:旅から帰って来てからはどんな仕事をしていたんですか?

坂本:採用担当の仕事を入社2年目から出発前までやっていたので、帰国してからも同じ採用担当をさせてもらっていました。

田北:採用担当はどんな内容の仕事をするんですか?

坂本:新卒採用のための会社説明会や筆記試験、面接、あと1年目の研修を組み立てたりとかです。

田北:世界一周をして、その経験で現在の仕事に還元出来ている事ってありますか?

坂本:「仕事に」と言うとあんまりないんじゃないでしょうか(笑)。でも、あるとすればさっきも話したモノの見方という点で、この間、今年の4月入社の内定者新年会があったんですけど、その時に出てくるご飯とかをみんな当り前だと思っている節があったんです。

だから、「これ、食べられるのは当り前じゃないよね」「ここまで来られたのは、自分だけの力じゃないよね」「この会は、たくさんの社員がみんなのために企画してくれているんだよ」って、違ったモノの見方を伝えたんです。会社が研修してくれるとか、入社したら全部やって貰えるとか。「そうじゃない」って伝えるのは大事ですね。

仕事に対する謙虚さも大切で、「俺が仕事をしているんだ」っていう人よりも、「お客様のおかげ」「先輩やフォローしてくれる後輩のおかげ」っていう人の方が周りに協力して貰えるし、フォローして貰える。社会人として生きていく為に必要な、そういうアドバイスは伝えられる。それくらいでしょうか。

田北:坂本さんが新卒採用をしていて、やっぱりそういう学生を採用していますか?

坂本:はい。そういう学生は先輩にかわいがられるので成長しますしね。大事なのは、入社して3年後、5年後、10年後に活躍しているイメージができるかどうかだと思います。

田北:「夢を持っているか?」と聞かれて、明確に答えられる人が自分も含めて、周りにほとんどいないのですが、夢はどうやって見つければいいと思いますか?

坂本:思いついた事や興味のある事、「楽しそうだな」と思う事を、とにかくやってみる事だと思います。ある程度やったら、「楽しいな」とか「向いていないな」とか自分でも分かるし、周りの人も色々言ってくれると思うんです。

とにかく気になった事を全部やる事だと思います、やらないと何も分からないですよ。自分で「違うかな?」と思っていても、その夢を追いかけている途中で出会いもあるし、夢が変わってきてもいいし。良くないのは、考えているだけで何もしない事ですね。それでは絶対分からないですよ。

田北:エントリーシートが書けない、自分の事が分からないという学生が多いんですけど、採用する立場の人はエントリーシートから何を見たいんですか?

坂本:当たり前ですが、「その人自身、ありのままの姿」です。「この人はどういう時間を過ごしてきたのだろう?」「夢は何だろう?」とか、「うちに入社したら、この人は幸せなんだろうか?」「うちの会社にとって幸せな採用なんだろうか?」とか。

田北:就職について迷っている学生達に対して、なにかメッセージを頂けますか?

坂本:僕は旅をして、人に出会って、本を読むという経験を通じて、自分自身を深く知ることができたと思います。その中から、就職に対しても自分で判断して答えを見つけるしかありません。旅ではどっちの道に行くか、どのバスに乗るかで運命が変わっていきますが、それと同じことです。

田北:坂本さんにとって働くという事は?

坂本:……難しいな(笑)。夢を叶える事、社会に還元する事が働くという事かもしれません。狭い意味では働くのは会社の為ですが、広くは社会の為です。僕達は「総合子供文化産業」ですので、子どもと家族の為、健康や教育、環境や夢とか、そんなことに関わることが仕事だと思います。

僕は今日、これから埼玉の学校へ講演に行くんですけど、会社に出社する代わりにこっちに来ています(笑)。こうして社会に還元する事が今の仕事でしょうか。また働くことによって自分が成長することもできます。お給料をいただきながら成長できるんですから、最高です。

田北:坂本さんは自分の夢を叶えられて、今現在の夢はあるんですか?

坂本:世界一周から帰って来てから10年経つんですが、帰って来てすぐ、日本縦断する夢があって、それは子ども達に夢を伝えるプロジェクトで。講演をしながら自転車で横断したんですけど、90ヶ所近く、北海道から沖縄まで、7ヶ月かけて、全国を自転車で回りました。「夢の架け橋プロジェクト」って言うんです。

次に本を出版したので、その印税で「命の恩返しプロジェクト」として、アフリカのギニアの井戸がなかった村に井戸を掘りに行きました。その後、世界一周中に出会ったブータンの人達と一緒に幼稚園と小学校の教育支援プロジェクトを立ち上げて、それも去年完成しました。ギニアでは、井戸の次に命の恩人のドクターと一緒に診療所を作って、それも昨年完成しました。

今年の9月にまたギニアに遠征に行くんですけど、そこでお医者さんになる人達の学費を支援する奨学金の制度を立ち上げて、あとは電気がないのでソーラーバッテリーを付けたり、分娩室を作ったり。いずれはドクターを日本に呼んであげたいなと思っているんです。

田北:坂本さんにとって「夢」と「目標」の違いは何だと思いますか?

坂本:夢はデッカイですよね。目標はもっと手前の、例えば世界一周が夢だとしたら、目標は今日どこまで走るか、1ヶ月~3ヶ月くらいまでが目標でしょうか。「1ヶ月先までにはここまで到着して、こんな事をやって」という。そういう具体的なモノが目標だと思います。

田北:その目標を実現していかないと、夢は叶わないんですね。

坂本:そうですね。でも、その目標が叶わなくて別の形になっても、今度はその夢を実現していけばいいのです。だから行動して結果を出すと、自分の夢が見えてくると思います。

田北:坂本さんが何かを行動する場合、どういう基準で決めているんですか?人によっては「楽しそうだから」とか、色々あると思うのですが。

坂本:直感が8割くらいですね(笑)。あとは、決断する前に色んな人に相談して、みんなに理解して貰えるような方向を考慮しますね、やっぱり一人じゃなにもできないので。会社勤めもしているし、結婚もしたし、周りの人に理解して貰えるかをよく考えます。直感というのは大体正しい(笑)。僕はそう思います。